どんなに負けつづけてもあきらめない
工場勤めのカム・サヨンは、系列会社のプロ野球チーム
〈サムミ・スーパースターズ〉に晴れて入団。
子供の頃からの夢に大きく近づいたと思ったのも束の間、チームは負けつづけ、サヨンも敗戦処理専門投手としてしか使われない。だが、全国民が注目する最強チームとの試合で、遂に先発登板のチャンス到来。果たしてサヨンは、この一世一代の試合を勝ち抜くことができるだろうか?
カム・サヨンは、韓国プロ野球創成期の1982年から5年間、実際にサムミ・スーパースターズに在籍した左腕投手。5年間で1勝15敗1セーブというみじめな成績に終わったカム投手だが、それでも投げつづけた彼を通して、夢をあきらめない本当の強さと幸福を描き出した、トゥルー ストーリーが、『スーパースター☆カム・サヨン』だ。
韓国映画が誇る演技派が勢揃い
カム・サヨンを演じるのは、10年近い脇役生活を経て開花した、イ・ボムス。『シングルス』にしろ『オー!ブラザーズ』にしろ、複数の主演者のひとりとしてコミカルな個性を光らせてきた彼が、初めて一枚看板で主演したのが、下積みの長かった自身の経歴とも重なる本作だ。
また、サヨンの心の支えになる女性ウナ役に『オールド・ボーイ』のユン・ジンソが扮しているほか、チーム仲間にリュ・スンス(『大統領の理髪師』)、イ・ヒョクチェ(『あぶない奴ら〜TWO GUYS〜』)、対戦相手のスター投手パク・チョルスンにコン・ユ(『同い年の家庭教師』)が扮して、サヨンの挑戦を盛り上げる。また、パク・ヨンウ(『MUSA-武士-』『永遠の片想い』)がロッテ・ジャイアンツの選手としてワンシーンだけカメオ出演している。
実在のカム・サヨン
本作で監督デビューを果たしたキム・ジョンヒョン監督は、幼い頃から熱烈な野球ファンで、特にOBベアーズのスター投手パク・チョルスンのファンだった。そして、いつも試合終了近くで登板するサムミ・スーパースターズのカム・サヨン投手を笑いの種にしていたという。長じて兵役時代でも、野球やサッカーでヘマをする者を「お前はカム・サヨンか」とからかった。だが、ある日、ふと思った。「なぜ自分は彼をバカにしてきたのだろう」と。この自問から、夢を持ちつづけるすべての人を応援する映画を撮ろうと、シナリオに着手。映画化を最初は固辞したカム・サヨン氏も、監督の熱意にほだされ、遂にはさまざまなアイディアを出してくれたという。1957年生まれのカム・サヨン氏は、ディスカウントストアのシニアマネージャーとして勤務した後、現在は国際デジタル大学野球チームの監督に就任。今なお野球は「私の人生すべてです」と語っている。